発達は無限です

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毎年3月の楽しみの一つに裕子さんの誕生パーティがあります。今年も養護学校時代からの友達、作業所の仲間、カラオケ教室の知り合い、地域の支援者、親の会のお母さん方が集まって「唄とダンスを楽しむお店」を借り切って、祐子さんの36歳を祝う会が会費制で開かれるということで、いそいそと出かけました。

養護学校高等部卒業生9人のお仲間。1年ぶりにあった人もいてウーロン茶で乾杯し、軽食をつまみながら、手振りも表情も豊かに話が盛り上がりました。おしゃべりも一段落して、お楽しみのカラオケが始まりました。次々と、持ち歌の発表。新しい歌、好きな歌手の歌、学校時代からの愛唱歌、みんな活き活きし、目がきらきらしています。定例の歌は、「世界にひとつだけの花」。23節目になるとみんなが歌い出します。涙を浮かべて歌っている人もいます。たった一つの花達が、息を合わせて思いを込めて歌っていることが伝わって、切なくなってしまいます。お母さん達や地域の支援者も歌詞は曖昧だったり分からなかったりですが、お母さんたちもみんな自然にリズムを取っています。新しい歌も次々と歌われます。いつの間に覚えるのでしょうか。大きな拍手で曲が終わりました。

突然、「わたしリクエストがあるの。先生、《青い山脈》歌ってくれない?」祐子さんから大声でマイクが渡され、「《青い山脈》なら、先生も知ってるよね。お母さん達も歌えるよね。」と小さな声でささやかれました。

外出、家事、知的活動など生活のどの面にも日常的に相当な支援が必要な祐子さん。昨年までは自分が歌うことに集中し、持ち歌を先に歌われると見つからないように泣いていることさえありました。それが、今年は、みんなで楽しむことを、気にかけている心遣いをしているのです。適切な支援と環境が整っていれば発達は無限ですということばを改めて感じさせてくれました。ありがとう祐子さん。来年の誕生パーティも楽しみにしています。 (M)